アリアが湖にいると侍女に聞いてやって来た。
湖に足をつけて楽しそうにしていたと思ったら突然、木に登りだした。意外な行動に危ないからやめろと注意するタイミングを失ってしまった。
何やらリスを見つけたらしい。
野生のリスは警戒心が強く近付く事など不可能だがアリアにはすぐに懐いているのを見て驚くと同時にアリアがリスと嬉しそうに戯れている微笑ましい光景に、しばらく見ていようと決めた。
今の位置からは見えにくいため俺は少し移動した時に小枝を踏んだ。
人間には聞き取ることなど不可能な小さな音だったが敏感な野生のリスは直ぐに察知し、その場から逃げ出した。
やってしまったと思って後悔していたら、アリアが湖に落ちてしまった。
ここからアリアが落ちた湖までは距離がある。慌てて走って湖に飛び込んだ。
直ぐに引き上げるが意識が朦朧としていた。
呼吸が弱かったため人口呼吸をし、頬を軽く叩くとアリアは咳をして水を吐いた。
ホッとした。もしこのままアリアが死んだら………そう考えると闇の中に引きずり落とされるような気分になった。
「俺だ。分かるか?」
「……………ジェイド……様……?」

