カイルが去った後、ジェイドとアリアの間に微妙な空気が流れていた。
カイル様。不思議な方だったわ。
それにしても、ジェイド様が何を考えていらっしゃるのかしら?けれど自分以外の人の考えはどう頑張って考えても分からないものだから……
「今日はここで野宿することにした。明日もまた移動する」
「はい……」
「……腕」
「え……」
「腕が赤くなってる。俺が強くし過ぎたからだ。今後は気をつける」
「……平気です」
「また夕食の時に……」
ジェイドはアリアを抱き寄せ、額に口づけた。
今度はアリアを気遣い、優しく包み込んだ。

