「お前は何故来たんだ。何か用でもあるのか?」
「あぁ、そうだった。今後の進路をな」
「進路?」
「この先いくつも山を越えなければレイリーゼには帰れないが、姫さんや侍女には負担がかかる。遠回りをした方が賢明だ」
「確かにその通りだ。本来なら6日間かかるがカイル、お前の考える進路だと大体どれくらいかかる?」
「その倍の約12日くらいだな」
「俺としては早く帰国して挙式をしたい所だが、やむを得ん。12日間かけてレイリーゼに帰国する」
「挙式?お前、挙式するのか?」
「ああ」
「進路はまぁ任せろ。けど意外だな~三人の嫁さんとは誰も式は挙げなかったのにな。子供もいないし」
「うるさい」
「これ以上、アリアに怖がられないように気をつけろよ。あと嫌われるなよ~」
そう言い残して消えた。
カイルは嵐のような男だ。ジェイドが唯一扱いにくい人物であるが、唯一対等に話せる人物でもある。

