我が子の誕生の瞬間に立ち会えた事がこんなに感動するとは思わなかったジェイドは涙を流した。
生まれたばかりの小さな命を大切に抱きながら出産を終えたばかりのアリアの側に寄り添う。
「アリア。おめでとう、女の子だ」
「ありがとう。私の言う通り女の子だったでしょう?」
「ああ。可愛い子だ」
「あなたにそっくりね」
「そうか……?」
「ええ。アリオスとエリオスは私達二人に似ているけれど、この子はあなたに似ているわ」
「そうかもしれないな」
ジェイドはアリアの胸に生まれたばかりの女の子を抱かせた。
「こんにちは。私達の赤ちゃん」
「この子の名前は?決めていたんだろう?」
「キーラ」
「キーラ?ああ、そうか………」
「キール兄様が守ってくれた命だから……女の子ならキーラ。男の子ならキースにしようって決めていたのよ。いい?」
「勿論だ。俺もキールに感謝している。命を懸けてアリアとキーラを守ってくれた恩人だ」
「ありがとう」

