月のない漆黒の夜に突然現れたのは招かれざる客であった。
ジェイドは公務を終え、酒を浴びるように飲んでいた時だった。
普段通りだと思っていたが、誰もいないはずの私室にいるジェイドの背後から突然声がしたのだ。
「全く。見てられない」
「………?!貴様、何者だ?どこから入った」
いくら気を緩めていたからといっても背後を取られた事は屈辱的なジェイド。
低く唸るような声で相手を威嚇する。
「俺はリュード。この国に厄介事を持ち込んだ張本人だ。俺に忍び込めない場所はないさ。例えそれが国の最高権力者の住む城であってもな」
「そんな事はどうだっていい!!」
「俺はあんたが聞いた事に答えただけだ」
「貴様!アリアをどこへやった?!」
「アリアをどこへやっただと?おかしいな。あんたが捨てたんだろ?それとも今更、捨てた女に用でも?」
「それは…………」
「あんたは誤解してる」
「そんな事は分かっている!」
「………アリアの言ってた通りだな」
「何だと?!」
「アリアはあんたの事をよく話してたよ。不器用だけど、とても優しい人ってな」
「アリアが…………?」
「ああ」

