公務を終えたジェイドは城に戻って来ていた。
公務から戻って来た時は必ずアリアの待つ私室へ向かうのが習慣になっていたので今回も無意識のうちに自然と体は私室へと足を運んでいた。
扉を開けると、そこにアリアの姿はない。
当然と言えば当然だがジェイドはアリアのいない場所がこんなにも暗く沈んでいる事に気が付き、何とも言えない心境だ。
それと部屋の様子がおかしい。
今朝いた部屋に違和感を感じた。
何故だ?
辺りを見回すとドレッサーの前にジェイドが贈った母の形見のネックレス“女神の涙”が置かれていた。
それはアリアが肌身離さず着けていたもので………隣には結婚指輪と誕生日にジェイドが贈った指輪も置いてあった。
ジェイドは弾かれたように部屋を飛び出し、アリアの姿を探した。
それと同時に今朝アリアに言った言葉が蘇って来た。
何故あんな事を言ってしまったんだ?
何故アリアの話を聞いてやれなかった?
何故信じようとしなかった?
何故裏切り者だと決め付けた?
冷静になって考えてみればアリアが裏切るなど思えない。
何か余程の事情があったのだろうか……
アリアと話をしなくては!酷い事を言ってすまなかったと謝らなくては………
俺にはアリアが必要なんだ!

