ジェイドに腕を振り払われたアリアは頭の中が真っ白になった。
初めてだったのだ。こんなにもジェイドに拒絶されたのは…………
どんな時でも抱きしめてくれていたジェイド。
不器用で素直でないがそれでも優しく見つめてくれていたジェイド。
ずっと守ると……側にいると約束してくれたジェイド。
時折見せてくれる笑顔、力強く抱きしめてくれる腕、家族や国民の為に努力をする姿。
いつもその姿を目にして来た。逞しく眩しい姿を――――
ジェイドの全てを愛していた。今も変わらず………
ジェイドに振り払われた腕は加減をしてくれたようで痛みは全くなかったが、心は痛む。
愛する人に拒絶されるというのはこんなにも苦しくて悲しいものなのだと、まるで他人事のように思っていた。
痛む心は次第にバラバラになってしまった。
アリアの瞳から一筋の涙が流れると、ジェイドはアリアにこう言い残した。
「子供の事は忘れろ!二度と俺達の前に現れるな!」

