男が意識を取り戻した。
アリアは安堵と戸惑いと………様々な思いがあった。
考え事をしていたせいか、ぼんやりとしていると…………
「貴様!!何者だ!」
男は鋭い声で威嚇し、素早く起き上がりアリアと距離を保った。
「何をしているのですか?あなたは怪我をされているのですよ?」
「質問に答えろ!!貴様は何者だ!!」
「あなたは怪我人です!!安静にしていなさい!」
「……………!?」
怒鳴られても怯えない。一国の王妃であり二児の母であるアリアは男を黙らせる事の出来る貫禄は出ている。
大人しくなった男はアリア観察すると同時に周りを見たりしている。
するとアリアはある事に気が付いた。
この人はとても悲しい瞳をしているわ。
それに怯えきっていて、とても冷たい瞳。
年齢は私とあまり変わりないと思うけれど、この人の纏う雰囲気は人殺しをするような雰囲気はないわ。
この人から感じるのは“孤独”だけ………

