和やかな雰囲気が漂う中、意を決したジェイドはアリアと向き合った。
「アリア。まだ話す事がある。俺の話を聞いてから決断して欲しい」
「分かりました」
「先程話した暗殺者についてだ。奴らの目的はまだ分からないが、ただ殺人を楽しんでいるようには思えない。お前に危害を加えないとも断言が出来ない」
「………………。」
「俺は王としてこの国と国民を守る義務がある。だが王の肩書きがあっても俺はお前の夫で父親だ」
「ええ」
「今国中が混乱している中、国民を不安にさせるわけにはいかないが、アリア。お前と子供達をフローランへ避難させようと考えている。お前の父親のフィリップ王なら力になってくれるだろう。避難するなら早いに越した事はない」
「………………。」
「国民を混乱させる事は避けるべきだがお前達に何かあっては…………俺がふがいないばかりに、すまない」
「ジェイド様」
「何だ?」
「以前、言いましたよね?ずっと側におりますと」
「…………ああ」
「あなたは私を守って下さると言ったわ。離れないと言ったわ。なのに、また私達は離れなければならないのですか?」
アリアの悲しげな顔にジェイドは何も言えなかった。

