突然、馬車が停まったのに気付いた。どうやら、アリアは眠っていたようだ。
おかしなものね。悲しくて辛くて泣いていたのに人間は眠ることが出来るのね………
「アリア様。失礼してもよろしいでしょうか?」
「えぇ、どうぞ」
入って来たのは自分と同じくらいの年の娘だった。
「初めまして。私はこれからアリア様にお仕えさせていただく侍女のルーシアと申します」
「初めまして。ルーシア。仲良くして下さいね?」
「はい。精一杯お勤め致します!」
「ルーシア。そんなに緊張しないで普通に接してくれないかしら?」
「いえ、ですがっ」
「私は国を離れてしまって、とても寂しいの。優しそうなあなたとお友達になりたいの……」
ルーシアはフローランのアリア王女の噂は知っていたが、実際とは異なるだろうと思っていた。だが、今自分の前のアリア王女は偉ぶった所などなく身分の低い自分に心を許してくれている。
そんなアリアの純真な姿を見てルーシアは心に決めた。
「アリア様。いつでも私が側におります。そして必ずアリア様をお守り致します。ですからご安心下さい」
ルーシアの言葉にアリアはありがとう。と呟き、満面の笑顔を見せた。

