ゆっくり体を休めたジェイドは翌朝から調査に没頭した。
カイルの配備により事件の数は減ったが、また終わってはいない。
「ジェイド様。よろしいでしょうか?」
「ああ、クロウドか。入れ」
「失礼致します」
ジェイドの執務室にクロウドが訪れていた。
「何だ?」
「事件の事でご報告が」
「話してくれ」
「私の調査により判明した事なのですが犯人は複数いる模様。団体で動いているようです。団体で動く者達による殺人。恐らく暗殺者集団でしょう。それもレイリーゼ国ではなく他国の」
「それは本当か?」
「はい。これまでの事件では現場に証拠はなかったのですが、明け方にあった事件で証拠が残されておりました。被害者以外の大きさの違う足跡が複数。それに犯行に使われた凶器は他国のダガーナイフです。我がレイリーゼへの武器の輸入は他国との協定で禁じております。存在しないのです」
「確かに裏で動かぬ限りはな」
「それともう一つ異国の言葉でこう書かれていました。“これからも殺しは続く”と。これは最早、宣戦布告でしょう」

