「ジェイド様。少しはお休み下さいませ」
「今、忙しい。そんな暇はないんだ」
「けれど私はあなたのお体が心配なのです。少しはお休みにならないと………」
「ありがとうアリア。その気持ちだけでいい」
アリアはジェイドの執務室にやって来て頼んでもジェイドは休もうとはしない。
確かに仕事は大切よ。
特にジェイド様のような国を治める人……王は………時として自身を犠牲にしてでもやり遂げなければいけない事もあるの。
私は国王であるジェイド様の王妃。
父はフローラン国の国王。
だから良く分かるのだけれど、ここ最近のジェイド様は明らかに働きすぎるわ………。
「ねぇジェイド様。私に何か出来る事はありませんか?」
「アリアはそのままでいい。俺より子供を頼む」
「そうですね。大きな子供もいる事ですし………さぁ行きますよ!」
「……あ、おいアリア!?」
「ちゃんとお休み下さい。でないとお体を壊してしまいますよ」
「しかしな………」
「大きな子供」
「ん?」
「あなたは大きな子供です。さっ!お休みなさい」
ジェイドを無理矢理ベッドに押し込んだ。
「ゆっくりお休みなさい」
アリアの柔らかい声にジェイドの双眸がゆっくりと閉じた。

