「アリオス、大丈夫?痛い?」
「これくらい平気だ」
木の実を口にしながらエリオスは心配そうにアリオスを見ている。
木から落ちた時に膝を擦り剥いたのである。幸い他に大きな怪我は見られない。
「エリオス。早く食べて行くよ」
「う、うん」
慌てて木の実を口に入れた。
この木の実は甘くて美味しいものなので二人はすぐに平らげた。
再び歩き出すが目的地は分からない上に体力も限界に来ている。
空腹を木の実でしのいだが育ち盛りの二人には足りない。
少し歩くと木の根の上に二人でしゃがみ込んだ。
「パパとママに会いたいよ………」
「大丈夫だよ。すぐに帰れるから」
「僕、もう疲れたよ……」
「俺だって疲れた」
「……もう帰れないのかなぁ………」
「……………。」
「……………。」
とうとう二人は涙ぐんで黙り込んでしまった。
俯いて膝を抱えた。
「…………いたぞーーー!!」
大きな声がして二人は顔を上げた。
「アリオス!エリオス!無事か?!」
「「パパ!!」」
ジェイドは二人を抱き上げ、もう大丈夫だ。と言うと、余程不安だったのだろう。
二人とも声を上げて泣いた。

