「ガンゼス何があった?」
「はい。それが………」
「先程の騎士といいお前といい何故ハッキリと答えられない!何があったか申せと俺は言っている!さっさと報告しろ!」
「ジェイド様!そのように声を荒げては………」
「いえ、王妃様。私が言葉を濁したばかりに申し訳ありませんでした。改めてお伝えせねばならぬ事がございます。…………アリオス様、エリオス様のお姿が見えぬのでございます。恐らく二人で庭に入られたものと思われ、現在城中の者が総出で庭を捜索しております」
その場の空気が凍り付いた。
「………ガンゼスさん、ではあの子達は、二人で庭に……?」
「城にはいらっしゃらない模様です。恐らくは………」
「そんな!!だって庭には行ってはいけないと、あれほど……!私、私は……」
「アリア!落ち着くんだ。ガンゼス引き続き捜索を!」
「はっ!」
ガンゼスが去り、ジェイドはアリアを抱きしめた。
「どうしよう……あの子達に何かあったら………私は一体どうすれば……」
「大丈夫だ。俺達の子は強い。きっと見つかる」
ジェイドの逞しい腕に抱かれながらアリアは不安に包まれていた。

