「お待ち下さい!」
「アリア!何故ここにいる!部屋に戻りなさい!」
突然飛び出たアリアにその場にいた全員が驚いた。
「お父様!どうして?どうして私に何もおっしゃって下さらなかったの?」
父に歩み寄り尋ねた。
「私はお前を不幸にはしたくはないのだよ」
「お父様。私の幸せは皆が幸せでいることです」
笑顔でそう告げると軍服姿の男に向き合った。
「初めまして。アリア・トゥーリ・フローランでございます。レイリーゼ国のジェイド王とお見受け致しました」
「聡明な王女だ。私が何をしにやってきたのか既にご理解いただけているようだ」
「はい」
「アリア王女。あなたが私の妻になると約束して下さればガリカ山に待機させている騎士を下げましょう。だが、断るならこの国は滅びることになる」
「………私をあなたの妻にして頂けますか?」
「待ってくれ!娘は!娘だけは勘弁してくれ!その代わりに私の首を持って行くがいい!」

