「書状は拝見致しました。返答が遅れたことは心よりお詫び申し上げます。しかし、少々手荒ではございませぬか?」
「申し訳ありません。貴殿のおっしゃる通りですが何分、戦争しか知らない野蛮な国の男です。ご了承いただきたい」
「では、返答させていただきます。結論から申し上げますが娘を嫁がせるつもりはございません」
「それは何故ですか?理由をお聞きしたい。理由によっては国の存続に関わりかねないですが」
「貴殿は既に三人の妻を迎えておられるにも係わらず何故我が娘をご所望されるのです」
「確かに私には妻がおりますが理由にはならないでしょう。王とは世継ぎを残さなくてはならない。そういうものでは?」
「確かに一理あるが私には分かりかねます。妻とは生涯愛すると決めたたった一人の女性でしょう」
「流石、賢王と言われるだけはある。しかし、断ればどうなるのか貴殿はお分かりか?」
「分かっております。しかし愛する娘に幸せになってもらいたいと願うのは父親として当然です」
「では私が不幸にするとでも?この縁談を断る方が不幸になると思いますが……。貴殿が一言、アリア王女を私に頂けると約束して下されば家族、臣下、国民を失わずに済むのですよ」
…………!!

