昼下がり。
いつものように過ごすアリア。
バルコニーに出て自身が作ったイチゴのミルフィーユを食べながら外を眺めていた。
彼女はスイーツに目がない。頭を使った勉強後のスイーツは格別。
いつもと同じだと思っていたが、何やら城内が騒がしいような気がして落ち着かない。
何かあったのかしら?
お父様なら何があったのかご存知かもしれないわ。
アリアは部屋を出て王のいる執務室へ向かった。
執務室はアリアの部屋からすぐの所にある。
いつもは執務室の前に護衛騎士がいるはずなのに、何故かいない。
何だかおかしいわ。こんな事、一度もなかったもの。
次に向かった先は王座。
アリアはそこで王と対話するふたりの男を見た。
ひとりは甲冑姿。
もうひとりは………
軍服姿で紋章を見た時、アリアは息を飲んだ。

