その頃、フローラン国付近にあるガリカ山の麓では黒い影で埋め尽くされていた。
「ユンジュ。どうだ?」
ユンジュと呼ばれた男は馬から降りると自分を呼んだ男の元に行き、ひざまずき報告をする。
「フィリップ王は間違いなくレイリーゼからの書状には目を通している模様。ですが動く気配は感じません」
「そうか。分かった。もう下がれ」
「はっ!」
命令を下すと自分の愛馬に跨がる。
「騎士は待機だ。俺の指示以外では決して動くな。クロウド一緒に来い」
「はっ!」
クロウドと呼ばれた男は今、騎士に命令をした男の腹心の部下。
命令を下した、この男こそ
レイリーゼの王
ジェイドだった。

