無事に仲間と合流出来たジェイドは国に戻り、助けてくれたアリアの事を調べた。
容姿の特徴ですぐにアリアだと分かり、いつもは欠席するパーティーに出席。
勿論、アリアが出席すると情報があったからである。
パーティーでアリアを見てジェイドは自分を助けてくれたのはフローラン第三王女のアリアだと確信した。
すぐにフローランへ書状を送り求婚したがのらりくらりと、はぐらかされ二年の歳月が経っていた。
その間も他国からの縁談がかなりあると聞いていて内心焦っており、それが爆発し強行手段に出たのである。
ジェイドにとってアリアは命の恩人であると同時に初恋の女性であった。
27年間生きて来た中でアリアと結婚出来た今が一番幸せなのだ。
ようやく掴んだ幸福を守りたいだけなのに、何故こんな事になるのか――――
他国からは冷酷非情と呼ばれているジェイドだが、本当の彼はただ不器用で自分の気持ちを相手に伝えるのが苦手なだけで優しい男だった。
周りに人がいても、どうしようもないくらいに孤独だった。
それを救ってくれた愛しい人は闇の中にいた。

