退室ボタンに手をかけられない。

 どうして?
 逃げなよ!!

 もし、これが実際の事なら大変な事態だろうね。

 恐すぎる!!


《もうやめてぇぇぇ!!》

 やっと打つ事が出来た文字。



《ごめんね、怖かった?》
 この言葉で我にかえった。

 ……終わった?


《うん》

 すごく怖かった。
 この言葉を打つのが精一杯。

 私、何してたんだっけ?

 頭が真っ白になり、自分の姿を見てビックリした。

 身につけていた物が、全て、床に転がっている。

 チャットで 

 ……脱がされた!!

 というか、術に掛かって自分で脱いだのか…。

 状況を把握した途端、さっきまで火照っていた身体も冷めてきた。

 寒っ。

 そりゃぁ、そうよね。
 冬の真夜中だもの。

 文字を打ち返しながら床に散らばってる服を着直した。