躊躇する事なく服を脱ぎながらも、過激な文字はまだまだ続く。

 息が……乱れてる。

 文字の力って凄いんだね。

 Hをした事がないわけじゃない。

 子供だっているし。

 だけど
 こんなに激しいのは実際にはした事がない。

 怖いけど、身体が勝手に反応してる。

 嫌なら退室ボタンを押せば済む事なのに、何故か押していない。

 代わりに文字を打つ作業が続く。

《何をして欲しいの?》

 心の中を見透かされているように聞いてきた。

 頭に過った願望は……。
 って…恥ずかしいよ。
 でも、文字を打つだけなら……

 カタカタカタカタ……。

 すぐに返事が返って来た。

《声に出して言ってごらん》

 ……!!!
 なんで口にしてないって解るのよ!

 これ、チャットでしょ?
 文字のやり取りでしょ?

 声に、出さなきゃダメなの?

 
 覚悟を決め、誰が聞いてるわけでもないのに、蚊の鳴く様な声で発音する。

《嫌ぁぁぁ!》

 思わず本音を文字にしてしまった。

 発音したのは自分なのに
 こんなに恥ずかしい想いは今までした事ないよ。

 これを合図にしたのか、この男の文字トークがいっそう激しくなって来た。

 今のですっかり理性が崩れた。

 文字だけ、……なのに、見えない相手にされるがままにされて…いる。

 もう止めてぇぇぇ!!