「行ってきまぁす」 「今日は塾の日よ。 遅くならないようにね」 「はぁい」 杏子と図書館へ行くと言って家を出た。 ママは、優秀な杏子といるっていうと安心してくれるから。 本当は違うの。 今まで親に嘘なんて付いたことなかった。 だって、この時期に男の子達と、ライブの練習なんて言ったら、失神しちゃうでしょ? ママ、ゴメンネ。 心の中で謝り、パタン、と静かに扉をしめた。