紺碧の空に透き通った空気。
急に風も冷たくなった11月。
毎日のように、あたしを実験の道具にしか思っていない奴らに嫌気がしていた。
あ、先に言っておくけどアンドロイドなんかじゃない。
あなたと同じ人間よ。
唯、奴らにとって、あたしはサンプル。
それ以上でも、それ以下でもない。
だから、逃げ出した。
本当に逃げ切れるとも思っていなかったけど。
奴らのアジトを出て、直ぐに見つかってしまった。
お願い!!
神様がいるなら、あたしを助けて。
祈りを天に捧げ、周りの景色なんか瞳に映らないまま、走り出した。