驚いた。


結構な距離が出てるのに、ここまで聞こえる声であんなことを言う翔に。



別に翔のことを認めたわけでもなく、


そんなことをハッキリ言う人がいることに、

ただただ驚きを隠せなかった。




『……。』





ミーンミンとセミの鳴き声が響く。


美術室の決して日が当たらないところにいる私。


太陽は、小さくなる翔だけを指していた。