この人…、
声だけでなく、顔も知ってる。


確か、前にも今みたいに翔を呼びにきた人。
私の態度を見て、気に食わないのか睨んできた人。


…まぁ、だからと言って、どうってことないけど。



「…翔、いくぞ。」

「あ、あぁ。」



こうして彼は翔のYシャツの袖を引っ張ると、この場から立ち去っていった。



そして、その彼がこの後嘆いた言葉を、

私は見逃さなかった。