『……っ』
いるわけ、ないんだよ。
真っ白な人間なんか。
結局、人間はみんな1人なの。
自分を守るためだったら人を利用するし、簡単に切り捨てる。
上辺は仲良しでも、最終的にはみんな敵。
本当の絆とか、この世に存在しない。
1人で生きていかなくちゃいけないはずなのに、
「…わかった。」
翔の笑顔は心から人を信じてるような、そんな笑顔。
汚れを知らなくて、ただただまっすぐで。
本当に人間を心から愛してるような笑顔なんだ。
「俺が、教えるよ。」
『…え??』
「人の温もりを、早口に俺が教えてあげる。」

