君色の夢に恋をした。




「…あたしの方が翔と長い付き合いなのに!」

『…は??』

「よりによって、絵しか取り柄がなくて、クラスに浮いてるアンタが選ばれるわけ?」


会話は全然かみ合っていなかった。


肩を震わせ、必死に言葉を紡ぐ彼女。
私は思いっきり顔を歪ませてしまう。


なんなのコイツ…?

なんで初対面の彼女に、私がここまで言われなくてはいけないわけ?


…そう考えると、なんか胸くそが悪い。



「木ノ下!!」



状況を察したのか、止めに入る翔。

若干遅いような気もするけど。

それを私は無言で見つめる。


彼女は慌てたように、突然女の子らしい仕草をしながら動揺していた。