私は今も、君の面影を探している。 「…先生、いよいよですね!」 『……。』 担当の今村さんに、私は無言でニコリと微笑みかけた。 ――ここは、東京。 とある有名な、文化ホールの控え室にいる。 「先生の絵で展覧会が開けるなんて… 私も嬉しいです!」 『…ありがとう。』 …そう。 リハビリを繰り返した私は、奇跡的に左手が回復していた。 ちなみに、利き手の右手はまだ麻痺状態。