「……。」

「……。」





さすがの私の突き放しようにとうとう翔も黙ってしまった。

申し訳なさそうに髪を掻いて、しゅんとする翔。
そんな翔の姿に、一瞬罪悪感を感じそうになったけど、慌てて封じ込める。


しつこい翔が悪いんだから、私は悪くない。
…これが正しいんだ。




「ーーおい、翔!」



沈黙が気まずくなってきた頃。


どこからか、聞き覚えのない声が遠くから聞こえてきた。



その声に誘われるように、
翔、……そして私も。


静かにそちらへ振り向く。




「いつまでサボってる気だよ。」

「あっ、悪ぃ…。」



話しかけてきたのは、翔と同年代ぐらいの男の子。


見た感じ……。
翔と親しい関係のようだ。