君色の夢に恋をした。



早口が、横たわっている光景。


腕や手のひらは血で大変なことになっている。



『……。』



俺は立ち止まることしかできなかった。


聞こえてくるのは、誰かが呼んだのか、救急車の音だけ。



もう、どうしていいのかわからなかった。



「通してください!!」



白衣らしきものを着た救急車員が、俺たちの前を通る。


俺はそれを、捉えることができなかった。



頭に浮かぶのは、

死と恐怖。


それだけ。