「翔は言っていたよ。 “早口が頑張っているから、俺も夢に向かって頑張ろう”って…。」 『……。』 「翔はサッカーの夢をどこか諦めていたんだと思う。 だけどお前のおかげで。 もう一度頑張ることができたんだ。」 私の目から、一筋の涙が零れ落ちた。 もし、本当に祐二くんの言うとおりだったなら。 もし、翔の背中を少しでも押すことができたのなら。 それは純粋に、嬉しい。 今まで私ばかりが、翔にいろんなものをもらっていて… 私は何もできてないと思っていたから。