…別に、頼んでないんだけどな。 私はまたまた失笑。 だけど、きっとそれが顧問の優しさ。 そう思うと、私の顔からは笑みが零れた。 「…はい。」 書き終えた顧問は、片手でメモをしまうと同時に、もう片方の手で私に紙を手渡す。 私はそれを、ゆっくりと受け取った。 …柏木 愛花、っていうんだ。 今まで他人の情報などなかった私の頭に、顧問の名前がインプットされる。 …今度から、『顧問』じゃなくて『柏木先生』って呼ばなきゃね。