『…私、昔、いじめにあっていたの。』



一瞬だけ、辺りが静まり返る。


翔の息を飲む音だけが、妙に生々しく響いた。


それでも、私は構わず進める。



『理由なんてわからなかったし、

“なんで私が??”って思った。


辛くて辛くて。
泣きたかったけど、親に心配かけたくなかったから…

泣けなかったの。』



ずっと隠していた、心の奥に眠っていた本音。


強がっていたけど、


本当は誰かに泣きつきたかった。

本当は、

誰かに支えてもらいたかったんだ。