私と翔の間に吹き抜ける隙間風。


私は出来る限りの力で、翔の手を握りしめた。


翔の手は、大きくて温かい。



『…ねぇ。』

「ん??」

『なんで、屋上にきたの??』



実は、翔が来てくれた瞬間から、疑問に思っていた。


屋上は人通りがなく、特別なことがない限り足を踏み入れることは少ない。


だから、偶然きたとは考えにくいのだ。


偶然ではないとしたら…

翔はなぜ、私の居場所がわかったのだろうか??


そもそも、なんで私が連れ去られたことを知っているの??