「…ここからがメインイベントだよ。」
ハサミをしっかりと指にはめながら、より一層近づいてくるボス。
もう、何も考えられなかった。
何をされるかわからないけれど。
ハサミという名の凶器は、今までにない苦痛を私に与えるのだろう。
ボスが、ハサミを振り上げる。
刃がかすった私の腕から、すこしの血が滴り落ちた。
だけど、それは手違いだったみたいで。
『いやぁぁぁぁ!!!』
――バサ。
私の黒くて長い髪が。
束となって、地面へ落ちていった。
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