「…そっか。」
翔はそれだけ言うと、伸びをしながら、空を見上げた。
『……。』
「……。」
一気に沈黙が流れる。
こんなの、初めて。
今思えば、翔といる時はこんな沈黙が一切なかったような気がする。
それは私が相討ちを打ったからとか、そんなんじゃない。
翔が、いつも話題を提供してくれたから。
でも、今の翔は何かが違う。
何も喋らない。
ただ、空を見上げて。
それに、
――その横顔がすごく、すごく、切なく見えて。
私は思わず、翔をジッと見つめてしまった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…