「…そっか。」



翔はそれだけ言うと、伸びをしながら、空を見上げた。



『……。』

「……。」



一気に沈黙が流れる。


こんなの、初めて。


今思えば、翔といる時はこんな沈黙が一切なかったような気がする。


それは私が相討ちを打ったからとか、そんなんじゃない。


翔が、いつも話題を提供してくれたから。



でも、今の翔は何かが違う。


何も喋らない。

ただ、空を見上げて。


それに、

――その横顔がすごく、すごく、切なく見えて。


私は思わず、翔をジッと見つめてしまった。