キスをする。 まるで、初めてのように高鳴る胸が、自分だけでイラつく。 あいつは怯えて震えている。 怖くて震えている。 それさえも、俺を見ていてくれている証。 なのに、なんで涙が止まらないのだろうか。 汚してしまった。 俺が、全部壊してしまった。 ごめん、だなんて……言わない。 もっと狂えば良い。 もっと、餓えれば良い。 もっと、壊れれば良い。 そして、最後には俺を求めてくれよ。 ――END――