「はぁ……、違うわよ。全部壊してから来なさい。私が最後にあなたを砕いてあげる。」 そう言って、ぎゅっと抱き締めてくれた。 「そんな事したら、俺、犯罪者になっちゃうよ。」 「それでも良いわよ?先生が受け止めてあげる。」 「他の女に向かせるなんて、先生変なの。」 「……それが大人の余裕よ。」 一瞬、悲しそうに笑ったのを見た。 見てしまった。 そう、だよな。 「嘘つき。」 本当は余裕なんか無いくせに。 なんで俺は、この人を好きになれなかったんだろう。