地味子の秘密*番外編*

マフラーを巻き直していると…。



「ねぇ―キミ!」

「え?」


上から声をかけられた。


顔を上げると――…黒の学ランを着た数人の男の子が私の周りを囲んでいる。



「あの……何か………?」


私……何かしたかな?


鞄の取っ手を強く握りしめて聞き返した。




「なぁ、どこの中学?」

「え………」

「やっべーマジ可愛くね?」

「いや………そんなんじゃ…」



私の心配はまったくいらなかった。

これは、いわゆる………



「オレ、もろタイプ!彼氏っていんの?」

「あっ!誰か待ってんの?」



いわゆる………ナンパだよね。


こういうことは、今まで何回か…経験して来た。



でも、いつも杏樹が傍にいるから

たとえナンパされても、杏樹が上手く対応してくれていた。