太ももの傷が残る……?


その言葉を聞いて、ドクンと心臓が鳴った。


まだ、こんなに若いのに……一生残る傷をつけた。

原因は俺だ。

本当に取り返しの付かないことをした。


「大丈夫! このくらいどうってことないよ。お嫁に行けなくなるかもしれないけどね?」


フフッと笑って、冗談っぽく言う樹里。

だけど、瞳の奥は揺れているような気がした。


「樹里」

「ん、なぁに?」

「んなことは心配しなくていい」

「えっ?」


キョトンとする樹里の頬を撫でて、少し微笑むと告げる。


「樹里は俺が嫁にもらうから」


傷があろうと、なかろうと。

傷つけた責任とかじゃなく、本当に樹里が欲しいから。

今まで、ずっと一緒だった理由を幼なじみから変えたいんだ。


────永遠の相手に。