午後2時過ぎ―――…
すべての教科の試験が終わった。
筆記用具を鞄の中にしまって、席を立つ。
机の上に置いた受験票を持って…試験会場だった教室を出た。
周りの受験生もゾロゾロと教室を出ていく。
その波に乗って、生徒昇降口までたどり着いた。
靴を履いて、昇降口を出る。
杏樹と一緒に帰る約束をしているため、昇降口の近くで待つことにした。
目をキョロキョロとさせて…様々な制服を着た女の子達の中から、杏樹の姿をさがす。
黒髪にみつあみ。
スカートが長くって……
瓶の底みたいな分厚い眼鏡。
ある意味…杏樹は見つけやすい。
でも。
まだまだそれらしき女の子は現れない。


