それから1週間後の金曜日──。

5限目の授業が終わって、休み時間。

俺の周りは、ガヤガヤと騒いでいる。


あの保健室で過ごした日から─。

樹里への気持ちに気付いた時から──。


河西に、返事をしなければいけないと考えている。


しかし、毎日……タイミングを逃していた。

言おうと決めた時に、生徒会顧問から呼び出されたり……役員の仕事が入ったり。


「早く言わねぇとな……」


周りの騒がしい音に、吸い込まれるくらいに小さく呟いた。


あと1分ほどで、6限目が始まるという時。


──ビュッ!!


全開にしていた教室の窓から、強い風が入って来る。


「……なんだ?」


……ッッ……ヤベっ!



風と一緒に入って来たモノを感知した時には、もう遅かった…………。






「キャアアア!!」