昔から、杏樹は自分のことよりも私を優先して来た。


“ゆりちゃんは、あたしがまもるから”

“あんじゅちゃん…ありがとう”



幼い頃に交わした約束―――。


成長していく中でも、その約束を違えることはなかった。




杏樹を少しでも楽にさせるためには、

私が“彼氏”を作ったらいい。



いつしか、そんなことを思い始めていた。



小・中……男の子から告白されたことはあった。


でも、この人!って人がいなくて………結局杏樹にいつも甘えてばかりで、時が流れていく。






そして………




貴方に出会ったの。





私の両親は仲が睦まじく…私の理想のカップル。


波瀾万丈で情熱的な恋もしてみたいけど……私的には海みたいな穏やかな恋がしたかった。