ものすごく恐ろしい発言。
背後から抱きしめられていても、高瀬くんが視線を10mほど離れた場所にある向けたのはわかった。
炭火と太陽の日差しで何度かも見当がつかない鉄板に顔を押し付けられたら……想像だけで背筋がゾッとする。
それは私だけじゃないみたいで。
「ヒイッ……! い、いやっ……」
目の前にいる女の子たち全員の顔が青ざめた。
それほど高瀬くんの目は本気だということだろう。
「次……茅那に何かしてみろ……女でもカンケ―ねぇ。……お前ら全員ぶっ殺す」
あまりにも低い声と発言の内容に鳥肌が立った。
女の子たちが言葉を失う中、私は高瀬くんに手を引っ張られ……その場をあとにした。
飲んでいた場所へ戻るのかと思いきや、連れてこられたのはBBQ会場から離れたビーチ。
ぺたんこのサンダルで砂の上を歩く。
周りに人はいなくて静かな波の音と潮の香りがするだけ。
あの場所からここに来るまでずっと高瀬くんと手を繋いだままだ。
スタスタと歩いていく高瀬くんの広い背中を見上げながらふと思う。
あの……私たち、友達って設定だよね。
でもあの場面で背後から抱きよせたり、あんなセリフ言っちゃったら……女の子たちに疑われても仕方ないのではないでしょうか?
たかが女友達に、あんなセリフ言わないよね?
ましてや抱きしめたりしないよ……この設定、ウソだってバレないかな?


