大学内でも人気の高い彼は……やはり女の子からモテているようです……。

彼目当てに多くの女の子が参加しているのだと思い知った。

でも、そんな彼女たちからひっきりなしに浴びせられる視線。

女嫌いで有名な高瀬くん。

彼のすぐ隣に立っている私と、どういう関係なのか気になっているんだろう。



高瀬くんのことは大好きで、大切な人であることに変わりはない。

しかし仕事のことを考えると……勝手な行動はできない。

だってBKN48なんだもの。

交際が知られては、色々と問題があるのだ。

それは彼も重々に理解してくれている。

だから今日は……“友人”と関係を偽ることにした。

今日も、杏樹ちゃんがくれたお札を持っているから顔バレはない。

でも念には念を。

いつか、この関係を公に胸を張って言える日が来るまでは隠し通さなければ……。


「え、高瀬!? そのかわいい子誰だよ!」


突然の声に意識を戻された。

ふと視線を向けると、ポロシャツに短パンの男性たち数人が駆け寄ってくる。

そのまま彼らに高瀬くんと私は囲まれてしまった。


「え、マジ? ホントだったんだ、近藤が言ってたのって」

「高瀬が女の子連れてくるってさ」

「なになに、キミ高瀬の彼女なの?」

「ウソだろーー!? あんだけ女嫌いって言っておいてちゃっかり女いますとかビックリだぞ」


口々に言われてしまい、なんだか居心地が悪い。

ジーッと男性たちから見られ、遠くない距離からは女の子たちの視線が厳しい。

肩身が狭くなっていたら……。


「お前らが言ったんだろ、友達なら参加させろって。だから連れて来た」


周囲の雰囲気をバッサリ切るような口調で高瀬くんが返した。