10分後――――…。
俺が放った式が、杏樹を見つけたことを知らせる。
式をすべて回収し、杏樹がいるという場所へ急いで向かった。
そこには―――――――
「ゆっくりたべていいんだよ?」
「ケーキなんてたべられるんだ……」
「…うん。たべるものは、人と、かわらないんだって」
「へぇ――!よくしってるね!」
「……じいちゃんがおしえてくれた」
杏樹がいたのは、ホテルの庭…。
意外にも、パーティー会場のすぐ外だった。
夜でライトアップされた庭には、様々な植物が植えられ…遠くには大きな噴水がある。
その中で、芝生にしゃがみ込み…
同い年くらいの男の子と話ながら……
ホテルの棲む雑鬼に、先程、樹里が与えたケーキをあげていた。


