――ゴクッ……
血を吸って喉を鳴らす音が耳元で聞こえる。
まるで、カラカラに喉が渇いて、水を一気に飲み干すような感じ。
痛みは、最初に噛みつかれた時だけのみだった。
噛まれた後は、何とも感じない。
ただ、血を飲み干す音だけが鼓膜を震わせて聞こえる。
目をつむっているため、その様子は見えてない。
だいたい、見れるもんじゃなかった。
目の前には……ゾンビのような女がいる。
――カタンっ……
握っていた懐中電灯が手から滑り、床へと落ちた。
俺、杏に会えねーまま死ぬのか?
ぼんやりと考えた、その時。
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