地味子の秘密*番外編*

3歳にして、昼間より夜の散歩を好む。

というのは、いささか年老いているかも知れない。



それでも、今の娘に少しでも感情を取り戻させてやりたくて……。




今日の散歩コースを頭の中で考えていた時だった―――










「わ………わた……っ……」





樹里が顔を真っ青にして、俺のところへ戻ってくる。




傍に杏樹の姿はない。





「樹里?杏樹は?」




樹里から帰って来た言葉に、俺はどん底へ突き落とされた。

























「………ッ………杏樹が………
いないの………っ……!」