「え? 意味がわからない……です」
彼の言葉が理解できなくて、キョトンとすると。
「お前、夏に言ったよな。この仕事を始めたのは、歌やダンスが好きだったからと。ステージに上がるための努力は惜しまないって。演技にも興味あるって、言ったよな? あ?」
高瀬くんが言っているのは、彼が夏休みの時に、出かけた水族館でのことだ。
カフェに行った時、アイドルになった経緯を話した。
覚えててくれたんだ。
「この世の中で、お前のように好きなことを仕事にできるのは、そういない。せっかくここまでチャンスをもらってきたのに、簡単に捨てんな。嫌いじゃねーんだろ、歌もダンスも」
彼の言葉にコクンと頷く。
仕事の荷物を思いっきり抱きしめた。
イヤだ。まだいっぱいお客さんの前で歌いたい。
ダンスだって、磨きたい。
「まわりなんて、勝手に言わせておけ。そいつらは、お前の実力に妬いてるだけなんだから」
「え?」
「危ない世界ってことはわかる。でも、お前を認めてくれる人だっているだろ? お前を見て、何にも思わねー人たちが、歌った後に拍手くれるか? ファンレターくれるか? 仕事くれるか?」
「っ……!」
高瀬くんに言われて気づく。


