地味子の秘密*番外編*

いくら高瀬くんでも、ダメ。絶対に渡せない。

ボロボロにくたびれたTシャツ。

何度も泣いて練習して、思うように声が出なくて苦しんだ。

でも、それができた時はみんなと抱き合って喜んだ。

ダンスの先生にしがみついて、泣いた。



ステージに上がる前は、いっつも心臓バクバクで。

お守りを握りしめて、毎回震えてた。

毎回、メンバーに背中を叩いてもらって、緊張をほぐしてた。


それでも、歌い終わると、お客さんの拍手が嬉しくて……。



『もっかい、このステージに立とう』って思えたんだ。













だけど。



それが、もうできない……。






今さらになって、思う。



簡単に「辞める」なんて言わなければよかった。